
最近なにかと注目を集めている防音室を、趣味や仕事に集中したくて自宅に導入するか迷っているという人は少なくないかと思います。本記事では、防音室を作りたい人向けに、工事を行う際の費用の相場や注意点を詳しく解説していきます。防音室を自宅に設けるか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
そもそも防音工事とは
防音工事とは、壁や床に防音・吸音のための加工を施し、室内で楽器を演奏したり大きな声を出しても外に音が響かないよう対策する工事のことです。一口に防音工事といっても室内の音を外に漏らさないための工事と、外部からの音が自宅内まで響かないようにするための工事があります。外部からの音の対策としては二重窓や防音サッシ、複層ガラスなどを使用し、内部からの音の対策としては防音フローリングや防音シート、防音パネルなどを使用します。
室内の音を外へ漏らさないための工事は、遮音工事と表現するケースも珍しくありません。室内の音を外部へ漏らさないための対策方法としては、防音工事以外に防音グッズを導入する方法がありますが、防音グッズで行う対策よりも防音工事の方が高い防音効果が得られます。
防音室をつくるメリット・デメリット
次に、防音室を自宅につくるメリットとデメリットをまとめて紹介します。防音室にはメリットが豊富にありますが、同時にデメリットも存在します。そのため、つくる際はメリットだけでなくデメリットも把握した上で判断することが大切です。メリットだけを見て判断すると、完成後に後悔する恐れがあるので注意しましょう。
音量を気にせずに趣味や仕事に打ち込める
自宅に防音室を作る最大のメリットは、音量を気にせず趣味や仕事に打ち込めるようになることでしょう。一般的な日本の住居は窓を閉め切っていたとしても、室内で楽器の演奏を行ったり大声を出したりすると、外や隣の部屋に聞こえてしまう造りになっています。しかし、防音室を設置すれば外に音が漏れる心配がなくなるため、音量を気にせずに趣味や仕事に打ち込めます。防音室は、在宅勤務をしており頻繁に自宅内で会議を行っている人や、趣味や仕事で楽器を演奏している人、オンラインゲームで頻繁に友達とボイスチャットを行っている人などにとくにおすすめです。
隣人トラブルを予防できる
防音室のメリットとしては、隣人トラブルを予防できることも挙げられます。防音室をあらかじめつくっておけば、自宅内で楽器や歌の練習をしても隣人に騒音の被害が及ぶ心配がなくなるため、隣人トラブルの発生を予防できます。最近では自宅で多くの時間を過ごす人も増えてきているので、楽器の演奏やリモート勤務を検討しているのであれば、トラブルを回避するためにもあらかじめ防音室をつくっておくことがおすすめです。
コストがかかる
防音室をつくる最大のデメリットは、コストがかかることです。防音室は通常の部屋をつくる時とは異なり、施工時に特別な防音のための加工を施すため、つくらない場合と比較して住宅のトータル建築費用が高くなります。防音の程度や部屋の広さ次第ではコストを抑えることも可能ですが、それでも一般的な部屋と比較すると必ず高くなるので注意が必要です。
部屋が小さくなる
また、防音室のデメリットとしては部屋が小さくなることも挙げられます。防音室は通常の部屋と比較して壁や天井が分厚い造りとなっているため、しっかりと防音対策を行うと通常時よりも部屋が少し小さくなります。土地面積が小さな場所に家を立てていたり、圧迫感のある部屋が苦手だったりする人は注意が必要です。なお、防音室にすると必ず小さくなってしまうわけではなく、防音箇所を部分的にすることで対策が行えます。
防音室の工事にかかる費用相場
最後に、1部屋丸ごと防音室にするための工事を実施する際にかかる費用相場を紹介します。一口に防音室といっても、防音室を利用する目的ごとに必要な施工は異なるので、工事にかかる費用も大きな差があります。また、組み立て式の防音室を導入する場合とは費用の相場が異なるので注意してください。楽器の演奏に使用する場合
楽器の演奏に使用する目的で防音室をつくる場合、4帖で250万円~280万円、6帖で260万円~320万円、10帖で300万円~400万円前後の費用がかかります。ピアノや管楽器のように空気を伝わる音の対策だけで済む利用用途であれば比較的安く済みます。しかし、ドラムや打楽器のように低音の振動が響かないよう対策する必要がある場合には、施工費用も高くなるので注意が必要です。楽器の演奏のために防音室をつくる際は、あらかじめどのような楽器の演奏に利用する予定なのかも伝えておくと、はっきりとした予算感が掴めるでしょう。