
子どもの泣き声や足音が外に響いていないか不安な人や、反対に外からの騒音に悩まされている人は、防音工事・リフォームを検討するのもひとつの手です。今回は床・壁・窓のそれぞれについて、防音工事の種類やリフォームの具体的な方法のほか、費用相場の違いについても詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
床の防音工事の費用相場
床の防音工事には大きく分けて4つの方法があります。ここでは、それぞれの防音工事方法について概要と費用相場を詳しく解説します。床材そのものを張り替える方法
床の防音性を高めるためには、床材そのものを防音性の高いものに変更するのが有効です。防音性に優れた床材は各メーカーから複数種類販売されており、それぞれで防音性能の高さやデザイン、素材、特徴が異なります。そのため、予算やニーズと照らし合わせながら適した製品を選択することが重要となります。金額は選択する床材によって幅があるものの、6帖程度の張り替えで25〜30万円が相場です。
遮音マットを取り入れる方法
現在張られている床材はそのままの状態で、床材の下に遮音マットを敷く方法です。遮音マットも床材と同様に各メーカーから複数種類の商品が販売されており、金額や特徴が異なります。シンプルな遮音マットであれば6帖あたり20〜30万円程度で導入できるものの、吸音素材を取り入れた高性能なマットを利用する場合は60万円ほどかかるケースもあります。
吸音素材を導入する方法
吸音性に優れたグラスウールなどの素材を床材の下に敷き詰める方法です。導入する素材によっても金額は大きく異なりますが、6帖で35〜80万円が相場となります。費用内訳には吸音素材そのもののほか、既存のフローリング撤去や床下地組、フローリング張りなどが含まれます。自身でカーペットを敷く方法
床材の防音性を手軽かつ安価に高めたい場合には、防音性に優れたカーペットを取り入れるのもおすすめです。より防音性をアップさせたい人は、防音シートの上から防音カーペットを敷くのも有効となります。壁の防音工事の費用相場
壁の防音工事には大きく分けて3つの方法があります。ここでは、それぞれの防音工事方法について概要と費用相場を詳しく解説します。吸音材・遮音シートを導入する
壁の防音性を高めるためには、壁に吸音材・遮音シートを挟むのが有効です。表面の仕上げ材とボードの下に遮音シート・吸音材を入れるほか、ボードを二重にするのもおすすめです。料金は導入する遮音シートと吸音材の種類によって幅があるものの、16平方メートルで20〜25万円が相場となります。換気口を防音仕様にする
壁の防音性を高める方法として、換気口の防音性をアップさせることも挙げられます。住宅の外側にあるキャップだけを交換する場合、費用は7,000円程度と非常に安価です。また、屋内の換気口も合わせて交換する場合は、合計で1万4,000円ほどになります。さらに、ダクト内に防音性を高めるパイプを導入するのも有効です。パイプは1,500円程度で購入できます。
遮音カーテンを利用する
壁そのものを工事せずに防音性を高める方法として、遮音カーテンの導入も挙げられます。カーテンを取り付けるのみで手軽に遮音効果を得られるうえ、費用を抑えられるのもうれしいポイントです。ただし、遮音カーテンは低い音に対しては効果を発揮しにくいです。そのため、子どもの泣き声や女性の話し声などの高い音に向いているでしょう。
窓の防音工事の費用相場
窓の防音工事には、大きく分けて2つの方法があります。ここでは、それぞれの防音工事方法について概要と費用相場を詳しく解説します。窓ガラス自体を取り替える
窓の防音性能を高めるには、窓ガラス自体を防音性に優れたものに交換する方法が有効です。防音性に優れたガラスにはさまざまな種類がありますが、代表的なものは異なる厚みのガラスを組み合わせた製品や、特殊な防音フィルムを利用した製品などがあります。料金は製品の種類によって異なるのはもちろん、窓の種類によっても変動します。たとえば、床からつながる大型の掃き出し窓であれば10万円程度、壁のやや上部から中間に位置する腰窓であれば6万円程度が相場です。
内窓を取り入れる
現在設置されている窓ガラスはそのままに、上から内窓として新しい窓を取り付ける方法です。内窓を設置することでもとの窓との間に空間が生まれるため、吸音性・気密性が高まります。内窓のガラスに先述の防音性に優れた製品を取り入れれば、さらに高い防音効果を期待できることでしょう。金額相場は、掃き出し窓で15万円程度、腰窓で7万円程度です。